IHクッキングヒーターを買って、さぁ調理しましょうと思ったけれどフライパンが温まらない。
IHの表示がエラーになってしまう。
フライパンはIH対応の物を買ったのに、どうして?
この記事では「なぜ使えないフライパンがあるのか」を電気屋さんがご説明します
IHの種類について
調理器具の側の問題もありますが、まずはIHの種類についてお話させてください。
一口にIHクッキングヒーターといっても、
「オールメタル対応型」と、そうでは無い、「一般のIH」と2種類在ります。
それぞれ、使えるフライパンの種類が違います。
一般のIH (鉄・ステンレス対応)
- 鉄・鋳物・鉄ホーロー
- 磁性ステンレス(18-0)
- 一部の多層鍋
オールメタル対応のIH (すべての金属鍋が使える)
- 上記の物に加えて
- 多層鍋
- 非磁性の銅・アルミ
フライパンの種類について
一口にフライパンといっても、材質や形が色々あります。
IHで使えるもの、使えるけど、効率の悪い物があるので注意が必要です。
フライパンの磁性とは
フライパンの磁性とは磁石にくっつくか、どうかの事です。
くっつかないステンレスの物が、あるので紛らわしいですよね
非磁性の物は、熱効率が15~30%ほど落ちると言われています。
電磁波の周波数を上げて、無理くり使えるようにしていますが、
磁石にくっつく物を選んだ方が電気代が安く抑えられるでしょう。
※メーカーでは磁性鍋の物を推奨しています。
ステンレスの18-0って何?
ステンレスは合金です。
数字は含まれているクロームとニッケルの割合を表しています。
ステンレス18-0はクローム18%、ニッケル0%の割合で混ぜてあるという事です
非磁性の18-8や18-10など、ステンレスにも色々な種類があります。
IHに使えるフライパンの大きさ
一般的に鍋の大きさは、なべ底12~26センチがベストとされています。
小さすぎるとセンサーが異常を検知して、火力が弱くなったり加熱できなかったりします
大きすぎると、熱が伝わりにくく、上手く調理できない事があります。
なべ底の形状
なべ底が平らな物以外は使えない。
例えば、反りがあったり、足が付いてたり、でこぼこになっている物はセンサーが異常検知して加熱できません。もし加熱できても一部に異常過熱して鍋が変形する事があるので危険です。
因みに古い鍋は、変形している事があります。
変形してる鍋は使わないようにしましょう。
ホーローは焦げ付くことがある
鍋底のセンサーが上手く働かずに、異常過熱し、トッププレートが破損したり、ホーローが溶ける事があります。そのためホーロー鍋はオススメしません。
多重構造の鍋
最近の鍋の中には熱伝導の良い物を間に挟んだ多重構造の鍋が多く出回っています。
オールメタル対応のIHでは使えても、IHクッキングヒーターでは火力が弱くなり、使い物にならない物があります
アルミ合金にステンや鉄を貼り合わせたフライパンがある
本来IHで使えないアルミですが、なべ底にステンを使い、熱を効率よく全体に伝える事のできる製品があります。
このタイプの物はIHによっては、熱効率が落ち、火力が出なかったり、エラーで使えない事があります。
場合によっては、機械そのものが故障する事もある。
IH調理器具に使えるSGマークの表記
SGマークは一般財団法人 製品安全協会の基準をクリアしたマークです
〇SIH
IH加熱できる物
〇SCH または SCH-IH
IH加熱の他にラジエントヒーター・シーズヒーター・ハロゲンヒーターにも使う事ができる。
IH対応と書いてあっても、SGマークがついているか、確認してみてください。
加熱効率と熱伝導率の違い
IHは電磁誘導の仕組みを使った加熱方式です。
なべ底に渦電流を発生させ、鍋の電気抵抗により、鍋底を発熱させています。
実は電磁誘導の副作用で、軽い鍋は浮いてしまいます。
浮いてしまうと熱が伝わらないので700g以上の重さのある鍋が良いです。
加熱効率とは、電力を熱に変換する効率
なべ底と、IHの間で電気が熱に変わる効率の事。
電気の力すべてが熱に変わるわけでは無いんです。
熱伝導率とは、温まりやすさの効率
熱が鍋全体に熱が伝わる時の温まりやすさの事
この2つが、恐らく、他のHPを見ると、ごっちゃになっているんですよね。
重要なのは加熱効率
加熱効率の悪い物を選んでしまうと、最悪加熱が出来ない。
何が問題かって言うと、加熱効率の良いのは鉄やステンレスの磁性なべ。
熱伝導の良い物はアルミや銅。素材によって特性が違うって事
IHの火力は、鉄・ホーロー→ステンレス→多層鍋→アルミ・銅の順に火力が弱くなります
調理器具は、頻繁に買い替える事はありません。
ある程度信頼のおけるメーカーの物を選んだ方が良いと考えています。
1年ごとに買い替えているのはコスパ悪く無いですか?
プロが選ぶIH鍋
メーカーが推奨しているのはステンレス製の鍋です
恐らく鉄なべはサビの問題があるので、長期使用を考えるのであれば、一生使えるステンレスの鍋が一番良いという事なのだと思う。
ただし、でんぷん質の物はステンレスを使うと、鍋にくっ付き易い性質があります。
チャーハンや餃子などの調理をする際は、表面がコーティングされた鉄鍋を使うのがベスト。
ステンレスの鍋の特徴
温まりにくく、冷めにくい性質があります
余熱をして、十分に鍋全体を温めてから、少し濡れた布巾で冷ましてから使うなどのコツが必要です。
少し高価ですが、丈夫なため、一生モノの鍋になります。
磁性のある物を選ぶこと。
オススメのステンレス鍋
ウルシヤマ ステンレス単層鍋
鉄なべの特徴
炒め物や焼き物をするなら鉄鍋がベスト
使い込むほどに油が鍋になじんで使いやすくなります
高温で調理できるので、IHの火力をフルに使えます。
パラッパラのチャーハンを作るなら鉄鍋1択!
調理しながら鉄が食材に溶け込み、自然に鉄分の補給も出来ます。
南部鉄器 柳宗理
柳宗理 鉄フライパンダブルファイバー窒化加工 22cm
IHに使える鍋まとめ
- IHはオールメタル対応を選ぶ
- 無難なのは、磁性のステンレス鍋か鉄なべ
- 多重構造の鍋は使えない事がある
- ホーローはNG
- サイズは12~26センチ
- 鍋底がフラットになってる物
- 古くなって変形している鍋は使わない
もしこれからIHを買い替えるのであれば、オールメタル対応のIHにしておいた方が無難です。
せっかく買った鍋が使えないなんて事になりかねないからです。
また、IHは100Vタイプと200Vタイプがあります。
おすすめは断然200Vタイプです。
100Vタイプだと、火力が足りないので、調理に時間がかかって電気代が上がってしまうからです。
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